東京地方裁判所 昭和44年(借チ)1021号 決定
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〔決定理由〕
(申立の要旨)
1 申立人らは、共同して、相手方から別紙目録(一)(二)記載の土地(以下本件土地という。)を木造建物所有の目的で賃借中にして、同地上に同目録(三)記載の建物(以下本件建物という。)を所有している。右借地契約の賃料は昭和三〇年四月一日以降一ケ月二、〇〇〇円にして、残存期間は昭和四五年七月七日までである。本件借地契約には、増改築をなすには賃貸人の承諾を要する旨の特約がある。
2 申立人らは、本件建物を取り毀し、本件土地上に、申立人井田一郎は別紙目録(四)記載の建物を、申立人井田二郎は同目録(五)記載の建物を建築したいが、相手方の承諾が得られないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。
(決定理由)
1 本件の資料によれば、申立の要旨として掲げた1の事実のほか、本件改築は土地の通常の利用上相当であることが認められるので、本件申立は、これを許可すべきである。
2 附随の裁判
本件改築により借地上の建物の耐用年数が延長される結果、借地人たる申立人らは本件建物の朽廃による借地権消滅を免れることになるので、申立人らに財産上の給付を命ずべきであり、その額は、本件改築により建物の使用方法が異るわけでなく、従前どおり居宅として使用するものであり、また、本件の資料によると、本件建物は相当老朽化し、既に改築の時期に達していることが認められるので、これらの事情を斟酌し、本件土地価格の四%を相当とする。鑑定委員会の意見によると、本件土地の建付地価格は一平方米当り七万九、一五〇円とのことであるので、財産上の給付額は一三一万円(万円未満四捨五入)となる。
なお、賃料は昭和三〇年四月一日以来据置かれたままであり、鑑定委員会の意見によるも、現行賃料は低額に過ぎることが認められるので、本件改築を機に改定するのを相当とし、その額を同委員会の意見に従い一ケ月七〇〇〇円とする。
残存期間は昭和四五年七月七日までであり、あと僅かの期間であるが、期間を延長することは期間満了の際の賃貸人の更新拒絶権を奪うことになり相当でないので、期間の点については附随の裁判をしない。(小山俊彦)
目録
(一) 東京都大田区南千束一丁目六六番一宅地330.74平方米(一〇〇坪五勺)
(二) 同所六六番二宅地470.57平方米(一四二坪三合五勺)のうち412.92平方米(一二四坪九合一勺)
(三) 右(一)(二)の地上所在
家屋番号三七一番木造瓦葺平家建居宅一棟
床面積 95.20平方米(二八坪八合)
(四) 木造二階建居宅一棟
床面積 一階 57.7443平方米
二階 32.7236平方米
付属
木造平家建物置 床面積 4.96平方米
(五) 木造二階建居宅一棟
床面積 一階 54.964平方米
二階 33.4334平方米
付属
木造平家建物置 床面積 4.96平方米